寂しいと言えなかった
ただ、一言その言葉が
俺には言えなかった。
言葉にすることは、簡単な筈なのに
自分をいとも簡単に晒してしまうような気がして
軽蔑されてしまう気がして
俺は、何も言えない
俺の言葉一つ一つが、皆を不快にしてしまう事を
俺は知っていたから
たった、一言。
簡単に告げれた言葉が
今では、何よりも難しい
告げることが出来ない、俺の気持ち
「寂しいよ」
俺や、仲間達との間に出来た絆
そして出来た溝
それは埋まらない
彼らが俺を打ち捨てた様に
俺が、彼らを信じる事が出来なくなった様に
彼らと、俺の間に出来た歪みを直す事は出来ない
同じ目的の為に集まった同士
最初こそは目的は別々だった
アニスは、両親を守るためにスパイとなり
ジェイドは自国の和平の為に奔走する
ティアは兄を殺すために動き
ガイはその兄と手を組んでいた
彼等には、どれだけ俺が愚かに見えたんだろうか
前線を潜り抜け、命を預けあった俺たちに絆はあったとしても
信頼関係は無かった・・・・そう最初からそんなものは無かった。
俺は確実に、皆に疎まれていたし、何を言っても俺の話を聞いてくれなかった。
声を掛けても、あしらわれて
その度に声を掛ける事すら怖くなって
結局、俺は意地を張る事で、自分の辛さを隠し通した
・・・・それがいけないことだったらしい。
その自分の選んだ行為で、皆は更に俺を呆れた顔で見るようになった
そう、その時から俺と彼等の間には亀裂が入って修復なんて出来ないものになったのだ
どちらか片方が、そこに信頼を置いていない時点で、信頼関係なんて成立しないものだから
そこからは、時間の進みがとても早かった気がする
余りにも何もかもが変わり過ぎて
俺には混乱する事しか出来なかった
アクゼリュスを崩壊させたこと
最初から俺の周りに居てくれる人はいなかったけれど、辛うじて居てくれた
人すら居なくなった事
俺が、レプリカで・・・・
人間なんかじゃなくて、ただの第七音素で作られた物質だという事
ひとつ、ひとつ
噛み砕いて、飲み込んで俺の中で消化していった
そして、気づいた事。
俺は、独りだったという事実
師匠を信じていて、馬鹿をみた俺
ガイを疑う事すらしなくて、愚かだった俺
何もかもの真実を知って、壊れたのは心だった
例え壊れていたとしても
それでも、ガイを信じたくて、ジェイドを信用したくて
ティアと笑いあいたくって、ナタリアと色々話をしてみたくて
アニスと、言い合いをする
それを望んでいる俺も確かにそこ存在するのに
いざとなって俺の口は言葉を紡がないのだ
ただ、一言告げるだけの行為は簡単なようでいて、至極困難な事と変化した
「寂しいんだ」
一人きりだとこんなにも簡単に言えるのに
誰も聞いていない場所でなら、告げられるのに
伝えようとした時、俺は何も言えない
「寂しい」と独り呟いてみる
破綻の傾向
「何かが壊れる音が聞こえる」仲間の前で、ルークは言った
メモ
あの時のルークは寂しかったに違いない。
でも、使命とか、変化した周りの環境とか、周りの態度とかで、何もいえなくなったに違いない!!(萌
ルークは寂しがり屋だと、主張してみる。
孤独には、慣れていて、独りになるには慣れてないってやつ。
「寂しい」って長髪ルークも言えなかっただろう。ある意味、意地っ張りだったからね。
短髪になったら、自分の存在の不確定さとか、罪の意識とか
そんなんで
「寂しい」って言えなかったんじゃないかなと。
想像すると、止まらない。これぞ、ルークマジック(笑)