辛かった。一度生を投げ、死ぬ事を選んだのに
この体はまだこの世に繋ぎ止められていて



今まで生きてきて、初めて生を実感することが出来たのに


実感することの出来たこの生も、仮初でしかなかった



今この体は、音素の乖離といった状態に陥っていていつ消えてもおかしくないのだ

消える=死

そういう事だ。


でも、もし俺が死んだとしてもこの体が、この世界に留まる事はない。ただ、霧散して消えていくだけ。


灰になる事も無い。ただ、元の音素の元へ戻るだけ






生きる事が出来たのに突きつけられたのは

自分の死



なんて、残酷なんだろう。レムの塔での覚悟は意味を無くした筈なのに

結局辿り着く場所は同じだった






逃れることの出来ない死の影に



怯えることしか出来ない




らすのは「
死を与え、生を奪う事に怯えるのは、辞めたんだ・・・だから、自分の命だって・・・・