傷がつく
それはとても深い傷だった
それはまるでナイフで刺されたかのような傷跡だ
どろどろと傷口からは血が溢れて
「大丈夫だから」と笑って隠していたら
いつの間にか、化膿して
もう腐り落ちてしまう寸前だと気付いてしまった
そう、心はもう腐り落ちて
今にも潰えてしまいそうだ
誰のせいだ。
俺のせいだ。
いや、俺のせいじゃないさ。あいつ等だ
そうか、奴らのせいだ。
だから、俺の心は死んでしまいそうなんだ
あいつらのせいだ。そうだ、あいつらのせいなんだ!!
言えればどれ程幸せな事か。
「卑屈になるのはやめるんだ。ルーク」
「おや、そんな事ではいけませんね」
「それは貴方の甘えでしかないわ」
「ルークってほんとっ何にも知らないよね!」
「ルーク?貴方がレプリカであっても、貴方は貴方ですわ」
「うじうじ悩むんじゃねぇよ!劣化レプリカ風情が」
ぐるぐる回る。ずっとずっと、回って反響して、何度も囁く
その声は、刃物だ。
その言葉は、俺を刺した。
その視線は、何度も傷を抉った
塞がり掛けて、また刺されて。
開いた傷口は治る事は無い
抉られる。深く。
そう、腐っていく。もう、持たないよ
欠けていくんだ、日を追うごとに。
腐っていく、腐り落ちていく。
あぁ、でも。
全て無くなってしまえば、彼等の全てを恐ろしいなんて思いはしないんだ
なら早く、腐って、どろどろになって、跡形も無く落ちて欲しい。
まるでそれは夢物語